ザ・キッチン・タワー 4
画像は、第4層の塗装中の様子です。前回まで、ちょっと寄り道をしましたが、キッチンタワーの製作話に戻ります。
まず、支持柱を作っていきます。
支持柱には2本一組になったボルトが、計10本飛び出しています。このボルトに棚ユニットを噛み合わせ、
蝶ナットで固定する仕組みです。支持柱自体は、5カ所、ネジ釘で壁に固定されています。
支持柱を壁に固定するネジ穴の位置ですが、これは、こちらで勝手に決めることはできません。
なぜなら、現在の洋間住宅では通常、石膏ボードなどの中空壁になっており、中空部分にネジを打ち込んでも
ほとんど効き目がなく、この場合、ボードを固定している『胴縁』と呼ばれる内部の下地部材の位置を壁の外側
から探し出し、その位置に合わせてネジ穴を決めないといけないからです。
というか、順序は逆で、壁に固定する家具のアイデアが出た初期の段階で、まず、その壁がそもそも固定に
向いているかどうか、胴縁がどの位置に、どれ位の間隔で設置されているかを調べてから、次の段階として、
家具の具体的な形状の検討に入るというのが順序です。
壁の外側から、壁の内部にある下地部材を探し出す方法ですが、以下の道具を組み合わせて使っています。
スタッド(間柱)センサーと呼ばれている道具です。上が電子式、下が手動式。
手動式は、きわめて原始的に針を直接壁に差し込んで、その手ごたえで壁の奥の構造を知るものです。
壁が穴だらけになりそうですが、的確に数ヶ所差し込むだけなら針が0.7mmと細いので、跡はほとんど
目立ちません。下地部材の手ごたえを直接手で感じますので、最終的には頼りになる道具です。
電子式は、壁を物理的に傷つけずに壁内部の様子をブザーとライトパターンで示してくれる優れもので、
DIYに関心がある方なら一台持っておかれてもよいものです。ただ、慣れないと、ピーピー音が鳴るだけで
扱いに戸惑うかもしれません。その場合は、広めの壁に沿わせて何回も練習してみると扱いの感覚が掴めます。
壁に沿って移動して、30cmから45cmの間隔で規則的に機械が反応する所を見つけることを繰り返していくと、
だんだんと、下地部材の配置構造が、壁をスルーして、脳内に見えてくるようになります(^ω^*)
さて、支持柱にボルトを固定します。下の図のように、①止め穴と貫通穴を組み合わせ、②ボルトを差込み、
③ボルト頭を穴ごとエポキシパテで埋めて、④完全硬化させます。
次に5層ある棚ユニットを作成します。まず、棚ユニットの共通の規格です。
棚面は23cm×38cmです。支持柱と本来の柱の間にぴったり嵌まり込む形にしてガタつきを無くしました。
片持ち梁ですが、底部を工夫して重さの応力を壁で支えるようにしています。下の画像は、最も強度が弱いと
思われる第3層ですが、12kg程度の鉄アレイでは、たわみ・軋みは全く見られません。
第1層2層であれば、おそらく30kgでも大丈夫と思います。専用棚なので重い物をのせることはしませんが。
接合部も各棚共通です。底部正面と上部側面から支持柱の2本のボルトにはめ込む構造になっています。
完成後の接合部です。蝶ナットで固定します。蝶ナットは、取り外しの必要のある家具の接合部位にとても便利です。
では、一番上の第5層から作成中の形状を見ていきます。
第5層は第4層と合わせてバーミックスを収納できる形状にしました。本体の取り出し・収納をワンアクションで行えます。
こういう電気器具の形状に合わせた変形棚は、電気器具の買い替え時に商品そのものが無かったり、商品の形状が
一時的なファッションのように必要もなく変化する日本の電気製品ではリスクが高すぎます。
バーミックスは、この10年トルクの改良によるバージョンアップはありましたが形状は変わっていません。
完成された定番とはそういうものだと思います。極めて丈夫で、5年使っていますが、劣化を感じません。
右画像のバーミックスとアタッチメント類について、その便利さをお話したいのですが、キッチンタワーから話が逸れて
収拾がつかなくなりそうなので、別のカテゴリでお話いたします。
長くなりましたので、第4層以降は、次回、ご紹介します。
『ザ・キッチン・タワー 1 』 (調理に必要な道具をすぐ取り出せる省スペース棚をDIYで作る)
『ザ・キッチン・タワー 2 』 (キッチンの定番課題『フキンと生ゴミ』。まずフキン問題を解決)
『ザ・キッチン・タワー 3 』 (キッチンの定番課題『フキンと生ゴミ』。生ゴミ問題を解決)
『ザ・キッチン・タワー 5 』 (省スペース・キッチン棚『キッチン・タワー』の完成まで)
『キッチンストックの工夫 1 』 (調味料ビンのキレイに並べる。野菜を便利に保管)
『キッチンストックの工夫 2 』 (コーナーの回転式棚を有効に使う容器のDIY)
『ワイヤーネット・吊る美学』 (キッチン用にワイヤーネットを上手く使う)
『ブラバンシアひと工夫』 (ゴミ箱とゴミ袋が合わないとお嘆きの人向き)
『バーミックスの弱点』 (バーミックスでコーヒー豆を挽いていますが‥)