もうDIYでいいよ。

フォスナービットは“できる子”

 

 

この丸いタイルを、フォスナービットを使って、洗面所のスノコにハメ込んでみたんだけど‥。

 

 ◆DIYをナマ暖かく見守る友人(♀): 「ていうか、フォスナービットって何? 

                        ちょっと、DIY用語、わかりにくいよ。 直輸入英語とか、やめてよね。

                        日本語の用語だって『嵌め殺し窓』とか、ヘンな名前多いし。」

 

いやいやいや、フォスナービットも嵌め殺し窓も、別にDIY用語じゃないから。でも、確かに聞きなれない単語なので、

説明すると、フォスナービットは日本語名では『座ぐりドリル』と言います。(うわっ、またヘンな日本語って言われそう)

 

だからね。フォスナービットっていうのは、すごく便利なドリルなんだよ。どこがスゴイって、穴あけを途中で止められる。

浅くも深くも、任意の深さで止められるんだ。 しかも、その削った穴の底面や側面が、とてもキレイ。

 

 ◆DIYをナマ暖かく見守る友人(♀): 「なんだか、あんまりメリット、感じないんですけど。

                        普通のドリルで穴をあけてる途中で止めたらいいんじゃないの?

                        そのフォスナービットじゃなきゃあダメなの?」

 

あのね。通常のドリルで貫通途中で止めた穴底っていうのは、ドリル刃でえぐり取られている途中の状態がそのまま

残ってしまって見栄えが非常に悪いんだよ。だから穴底の見栄えを気にしないダボ穴という接合用の棒材を差し込む

ような穴なら平気だけど、穴底をキレイに見せたいという用途だとフォスナービットが最適なの。

 

下の画像を比べて見て。左が一般的な貫通ドリル、右がフォスナービット、どちらも径15mmだよ。

 

 通常のドリルの方は、底面を削る刃が中心から一方にだけ伸びて、外周の一部に突き出た深く切り込む側刃に先導

されて、螺旋状に木材をえぐり取っていく構造になっている。当然ながら穴底を整えるような機能の刃先はない。

一方、フォスナービットは、中心からの対称刃と、半円周をカバーする側刃がほぼ同一平面上にあり、それらが全体で

底面を丁寧に削りだしていく構造になっているんだ。

 

 ◆DIYをナマ暖かく見守る友人(♀): 「フォスナービットのドリルの形はたしかにキレイに削れる気がするね。

                        でも、ドリルはドリルだよね。 貫通するか、しないかだけで。

                        なにかこう、穴をあける以外に画期的なことができるわけ?」

 

 

フォスナービットは穴をあけるというより、“くぼみを作る”という発想で、色々展開できる可能性があると思うんだ。

 

例えばコレ。 防犯用の木製の突っ張り棒なんだけど、ミゾにハメてあるので出しにくい。 どんな改良ができると思う?

 

 

 ◆DIYをナマ暖かく見守る友人(♀): 「私なら、取っ手を付けちゃうね。  ほら。 カワイイ!」

 

 

 それもアリだけど、いろいろ付属品がいる。 まったく付属品なしで、フォスナービットだけで解決する方法もあるよ。 

 

 

 

 ◆DIYをナマ暖かく見守る友人(♀): 「ああ。そういうコトね。

                        たしかに、シンプルではあるよね。」

 

 

浅いくぼみと深いくぼみを作っただけなんだけど、くぼみを作るだけで解決できることも、意外と多いような気がする。

次の例はコレ。

 

 

 ◆DIYをナマ暖かく見守る友人(♀): 「ああ。これはアレだ。

                        せっまいベランダに、無理やり作ったウッドデッキ。」

 

 

 どうして、そいうコト言うかな? 見て欲しいのは、ソコじゃなくて、この中央のテーブル。 この天板が、20mm厚も

あって、けっこう重かったんで、ウラ面をフォスナービットで加工して、元の2/3以下まで重量を減らした。

こういうものって、ちょっと軽くなるだけで、あつかいやすさが断然ちがうよ。

 

 

 ◆DIYをナマ暖かく見守る友人(♀): 「コレね、軽くしたのはナットクだけど、あんまり人に見せないほうがいいよ。

                        ハスの実のボツボツ? アレ大嫌いな人、いるから。」

 

ハスの実のボツボツじゃなくて、ハニカム構造って言ってほしいね。 この構造になるおかげで、強度的には

あまり弱くならない。重い天板をハニカム構造にして軽くすることが、フォスナービット一本でできることは、

もうちょっと評価されていいと思う。 まあ、加工に時間はかかるけど。

 

 

 ◆DIYをナマ暖かく見守る友人(♀): 「そういえば、スノコに丸いタイルをハメて、なんたら言ってたよね。

                        あれもフォスナービットで、くぼみをつけてハメこんだんだ。」

 

そう。 ハメこむものが、このタイルみたいに真円で、フォスナービットと径が合うものを探せば大丈夫。

このスノコでは径19mmで合わせたんだけど、工芸でいう“象嵌(ぞうがん)技法”のように、ピタッと

ハマり込んで、木部・タイル用接着剤が必要ないかなと思ったほど。 それに、タイルだけじゃなくて、

これはキッチン棚のストッパーだけど、丸いマグネットもハメ込めるよ。

 

 

 

それから、もう一つ、『本の落下を防ぎたい 2』で図解した、こんな、貫通穴と組み合わせた構造が、

フォスナービットで簡単に作れるのも、得点高いね。この構造はいろいろ応用できるから。

 

 

 ◆DIYをナマ暖かく見守る友人(♀): 「ふ~ん。 フォスナービットは、“できる子”ってわけだ。

                        あれ! ちょっと待って! さっきの丸いタイル、見たことあると思ったら、

                        私がガーデニングの補修用に買ったやつじゃん!ったく、油断もスキもないよ。

                        今度、もっと高い外国産の色タイルで弁償してもらうからね!」

 

 

 
 
 

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