本の落下を防ぎたい 2
『本の落下を防ぎたい1』の続きです。
念のため、注意事項を今回も貼っておきます(^_^;)
まず、アタッチメントの大量生産に入りました。もちろん量産したのは、試作品が成功した後ですが…。
下の画像のように、幅45mm15mm厚の棒材を、45mm角の正方形にどんどん切って原型を整形します。
右端に2個の試作品が見えます。今回アタッチメントは44個(本棚22段×左右2個)必要でした。
木材原型の形状は、このようなものです(対アタッチメントは鏡像パターンになります)。
大変だったのが、このアタッチメントの締め止る位置を正確に合わせるため、個々のネジ穴とアタッチメントを
一対一対応させないといけなかった点です。
どういう意味かというと、ネジ穴というのは、業者が本棚に取り付けるとき、回転させながら埋め込んでいくので、
その仕上がりの具合により、ボルトの締め止まる回転角度が微妙に違います。
ボルトであれば、六角形の頭の回転角度がどう違おうとも問題はありません。しかし、今回のアタッチメントは
正方形で、しかもビニールロープの穴の位置も決まっています。締め止まった時に必ず正位置に来ないと困る
わけです。
それでどうしたかというと、上記の木材原型を、①一旦すべてのネジ穴に正位置でボルトで締めて取り付け、
②その状態のまま、ボルト頭をエポキシパテで埋めて、③硬化させ木材とボルトを一体化させました。
これで、あるネジ穴に対して、正位置で締め止まるアタッチメントが一つ対応するようになったわけです。
下の画像は、そうして作製したアタッチメントです。すべてネジ穴から外し、一旦集めて作業するので、ウラ面に
記号で、どのネジ穴に留めるのか分かるようにしてあります。塗装前の下地調整に、水性パテを塗る前の段階です。
ここまでくると、完成も近いです。
上のアタッチメントの一つです。
ウラ面に『2c』とあるのは、上から2段目の棚で、右から3番目のネジ穴であることを示します。
したがって、これと対になるアタッチメントは、『2d』ということになります。
この相方を探し出すのに、トランプの神経衰弱のようなアリサマとなりました (^_^;)
オモテ面のエポキシパテで埋めた部分は、すでにヤスリで平らにしてあります。
このエポキシパテについて、お話しておきます。
商品名を『セメダイン・エポキシパテHC-115 』お徳用100gセットといい、ヨナデン製DIYでは、大体このタイプを
使っています。『ザ・キッチン・タワー4』で、支持柱にボルトを固定する際にも登場しました。
このような金属のボルトと木材を確実に充填・接着する場合にピッタリというだけでなく、木材の接合面を塗装後では
判別できないほどピシッとした平面に仕上げたい時など、必須のアイテムと言って過言ではありません。
下の画像のように、AとBの粘土状のパテ剤が2本のセットになっていて、それぞれ同量をカッターで切り分けて
練り混ぜて使うタイプです(付属のポリエステル手袋を必ず使ってください)。
パテ剤は普通は1本タイプのものが多く、下の画像は、それぞれ別の1本タイプのパテ剤です。このタイプも
実は、中がロールケーキ状に2剤に分かれていて、混ぜ合わせることで硬化が始まるシカケになっています。
エポキシパテHC-115 が、なぜ『お徳用』かというと、2本分なのに上の1本タイプと値段が同じだからです (^_^;)
それから、硬化時間が比較的長い(60分)というのが、初心者にも扱いやすいところです。上の1本タイプでは、
硬化時間は両方とも10分以内です。その分、作業効率は高まるのですが、よほどテキパキと充填処理を
進めないと、あっという間に固まってしまい、パテ剤をムダにした経験もありました。
少し余談になりますが、このエポキシパテHC-115 は、フィギュアの製作やプラモデルの改造などの造形作家
にも親しまれており、パッケージに馬の置物の修理の写真があることから、『馬パテ』と呼ばれています。
それからもう一点、今回の作業で必要となる工具として、『六角ソケットレンチ』も紹介しておきます。
この工具がないと、上で図解した①の作業、木材原型をネジ穴に正位置でボルトで締めて取り付けるという作業
ができません。
どうしてかというと、ボルトは木材の穴にはめ込んであるので、ボルトの頭を回すのにモンキースパナやペンチ類が
使えないからです。たぶん皆さんご存知だとは思いますが、こういうものです。
ボルト頭の六角形の大きさに合わせて接合部が取り替えられるようになっています。
もちろん、この接合部が入りこめる穴でないと使えませんが、それは、最初に穴をあける時に考慮しておきます。
六角ソケットレンチは、こういう特殊な場合だけでなく、普段のボルトの開け閉めにも使いたい道具です。というのは、
モンキースパナやペンチを下手に使うと六角形の縁をどんどん傷めて、角がまるくなってしまい、最後には開け閉めが
できなくなることがあるからです。ソケットレンチでは、均等に応力が分散されるので、比較的ボルト頭を痛めません。
DIYに関心があって、お持ちでない場合は、一つそろえておかれても便利な工具の一つです。
さて、本の落下防止ストッパーは、現在、最初の構想どおり全22段の本棚に設置されています。
はたして、既成のネジ穴を使ったこと、ビニール・ロープを使ったこと、金属留め具を一切使わなかったこと等、
効果が無いことをしでかしたのか、それとも少しは効果が有るのか、今のところ全く分かりません。
でも、大地震に遭遇して結果はこうでしたと報告する日も、来てほしくありません(^_^;)
どうか平穏無事な日々が続きますように。
『本の落下を防ぎたい』のお話はここで一応終えますが、このシリーズ『地震に備えて自分でできること』は、まだ、
色んなエントリーを考えておりますので、また見に来てくださいませ。
『本の落下を防ぎたい 1 』 (本の棚からの引き出しを邪魔しないストッパーとは?)
『実感比較!浄水器と蒸留水器』 (水道水の放射能汚染騒ぎ以降、蒸留水器を使っているが‥)
『浴槽のエプロンを外す』 (バスルームのニオイが気になる時は要チェック!)
『フローリングの穴の修復』 (DIYのハウス・メンテナンスの定番)
『フォスナービットは”できる子”』 (目からウロコのフォスナービットの使い方)
『便利な大工道具 5選』 (使い出すと、もう手放せない!厳選・大工道具)