このイス、どこに置く?1
寝室 / 座る前に鑑賞したいイス / 愛着モノ
2011.09.26
第1話 【 ハイバック・チェア『ヒルハウス』は、もともと寝室用に作られた?】
上の画像はヨナデン家の寝室にあるイスですが、このイス、ご存知の方も多いんじゃないでしょうか。
マッキントッシュというイギリスの建築家・デザイナーが作ったイス(のレプリカ)です。
この人、100年も前の人です(19世紀末から20世紀初頭に活躍)。
でも、このイスのデザインはちっとも古びていません。これはほんとにスゴイことです。
最近では、服飾店・ホテル・デザイン系の飲食店などで見かけますが、
デザインねらいで安易に使われすぎて、”あざとい”感じがするほどです。
今はこのイス、ほんとに安く買うことができます。ヨナデンが買ったのは15年以上も前ですが、
その少し前までは、こういった”巨匠もの”のレプリカは、イタリアのカッシーナ社からの直輸入だけで、
値段も30万とか50万とか普通でした。その後、他の欧米メーカーも参入できるようになったせいか、
市場価格が若干下がりましたが、それでも入手した当時、20万以上はしました。
今のようにリーズナブルになったのは、主に中国で生産できるようになったからだと思いますが、
ネットの評価では、中国製リプロダクトの品質のレベルには、結構バラつきがあるようです。
さて、このハイバック・チェア(以降、『ヒルハウス』と呼ぶことにします)、当然オリジナルがあります。
そして、そのオリジナルには、『このイスは、ここに置くしかない!』と言っても過言ではない
”特別の定位置”があることをご存知ですか?
マッキントッシュは生まれ故郷のグラスゴーを根拠地として活躍しましたが、そこに程近いヘレンズバラ
という場所に”ヒルハウス”という邸宅を設計します。そして家を作るだけでなく、その家に合わせて家具
も作りました。このイスは、もともと、このヒルハウスの2階にある寝室用に作られたものなのです。
ヒルハウスは作られてから100年以上経過していますが、現在も外観・内装とも良く保存されていて
見学が可能です(ヨナデンが訪問した当時は”王立スコットランド建築協会”の管理下にありました)。
その寝室の画像がこれです。
もちろん、この並んでいる二つのワードローブもマッキントッシュの設計です。
いかがですか。ちょっとこのイスの出生の秘密に触れた気がしませんか。
このイス、けっこう狭いスペースに置いても似合うんですよ。‥まあ、置き方にもよるんですが。
そう、実は、出生からして血統書つきの『スリムさん』なんです。
マッキントッシュは、これとまったく同じ型のイスをもう一脚、寝室に配置しています。
その二脚のイスを比べても興味深いことがわかるんですが、そのお話は次回に。
言い忘れましたが、このシリーズ、最終的には、ヨナデンがこのイスを自分の寝室に置くために
どんなDIYをしたかという話につながります。それまでに、しばらくはイス自体の話を続けますので、
お付き合いくだいませ(^ω^*)
『このイス、どこに置く?2』 ( 第2話 【邸宅ヒルハウスの寝室の双子のイス物語】)
『このイス、どこに置く?3』 (第3話 【『レッド・アンド・ブルー』と『ヒルハウス』を比べる】)
『このイス、どこに置く?4』 (第4話 【『ヒルハウス』の美しさのヒミツを構造から読み解く】 )
『なにげに超大型プランター 2 』 (大型室内プランターの水ハケなどの工夫を紹介)
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