もうDIYでいいよ。

このイス、どこに置く?1

第1話 【 ハイバック・チェア『ヒルハウス』は、もともと寝室用に作られた?】

 

上の画像はヨナデン家の寝室にあるイスですが、このイス、ご存知の方も多いんじゃないでしょうか。

 

 

マッキントッシュというイギリスの建築家・デザイナーが作ったイス(のレプリカ)です。

この人、100年も前の人です(19世紀末から20世紀初頭に活躍)。

でも、このイスのデザインはちっとも古びていません。これはほんとにスゴイことです。

最近では、服飾店・ホテル・デザイン系の飲食店などで見かけますが、

デザインねらいで安易に使われすぎて、”あざとい”感じがするほどです。

 

 

今はこのイス、ほんとに安く買うことができます。ヨナデンが買ったのは15年以上も前ですが、

その少し前までは、こういった”巨匠もの”のレプリカは、イタリアのカッシーナ社からの直輸入だけで、

値段も30万とか50万とか普通でした。その後、他の欧米メーカーも参入できるようになったせいか、

市場価格が若干下がりましたが、それでも入手した当時、20万以上はしました。

今のようにリーズナブルになったのは、主に中国で生産できるようになったからだと思いますが、

ネットの評価では、中国製リプロダクトの品質のレベルには、結構バラつきがあるようです。

 

 

さて、このハイバック・チェア(以降、『ヒルハウス』と呼ぶことにします)、当然オリジナルがあります。

そして、そのオリジナルには、『このイスは、ここに置くしかない!』と言っても過言ではない

”特別の定位置”があることをご存知ですか?

 

 

マッキントッシュは生まれ故郷のグラスゴーを根拠地として活躍しましたが、そこに程近いヘレンズバラ

という場所に”ヒルハウス”という邸宅を設計します。そして家を作るだけでなく、その家に合わせて家具

も作りました。このイスは、もともと、このヒルハウスの2階にある寝室用に作られたものなのです。

ヒルハウスは作られてから100年以上経過していますが、現在も外観・内装とも良く保存されていて

見学が可能です(ヨナデンが訪問した当時は”王立スコットランド建築協会”の管理下にありました)。

 

 

その寝室の画像がこれです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もちろん、この並んでいる二つのワードローブもマッキントッシュの設計です。

いかがですか。ちょっとこのイスの出生の秘密に触れた気がしませんか。

このイス、けっこう狭いスペースに置いても似合うんですよ。‥まあ、置き方にもよるんですが。

そう、実は、出生からして血統書つきの『スリムさん』なんです。

 

マッキントッシュは、これとまったく同じ型のイスをもう一脚、寝室に配置しています。

その二脚のイスを比べても興味深いことがわかるんですが、そのお話は次回に。

 

言い忘れましたが、このシリーズ、最終的には、ヨナデンがこのイスを自分の寝室に置くために

どんなDIYをしたかという話につながります。それまでに、しばらくはイス自体の話を続けますので、

お付き合いくだいませ(^ω^*)

  『このイス、どこに置く?2』 ( 第2話 【邸宅ヒルハウスの寝室の双子のイス物語】)

  『このイス、どこに置く?3』 (第3話 【『レッド・アンド・ブルー』と『ヒルハウス』を比べる】)

  『このイス、どこに置く?4』 (第4話 【『ヒルハウス』の美しさのヒミツを構造から読み解く】 )

  『なにげに超大型プランター 2 』 (大型室内プランターの水ハケなどの工夫を紹介)

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