もうDIYでいいよ。

海外人気ファブリックまとめ


輸入モノの壁紙やファブリックは、 名前は知っていても、『どの国のブランドだっけ?』

ということが、ありがち。そこで、気になる海外ファブリック・壁紙ブランドを、計21銘柄、

リストアップして簡潔に解説を入れました。

いまさら人に聞けない有名ブランドもありますので、保存版としてご活用くださいませ。

 


 いわずと知れた北欧系


boras cotton 
ボラス・コットン/ スウェーデン
http://www.borascotton.se/index.php/en/

 

生地の産地として知られたスウェーデン南部のボラス(ボロース)市に1870年に誕生したボラス(コットン)社は
現在まで一世紀半にわたり、ヨーロッパに良質のテキスタイルを提供してきました(2012年に本社はマルメ市に
移転)。下画像左のパターン柄、『マラガ(MALAGA)』(デザイン/モナ・ビョーク:Mona Björk)に代表される
シンプルで飽きのこないファブリック・アートは、現在日本を含め世界中で愛されています。


boras cotton

 



KLIPPAN 
クリッパン/ スウェーデン
http://www.klippan.ca/

 

KLIPPAN は1879年にスウェーデン南部の小さな村クリッパンに設立された家族経営の会社で、創設者は
現在のオーナー(4代目)のヨスタ・マグヌスソンの曽祖父 ヨン・ペッター・マグヌッソン。以降、一世紀以上に
わたって良質の商品を作り続けてきました。特に高級ウールのブランケット等が得意ですが、下画像左の図案
『マイ・スットックホルム(My Stockholm)』(デザイン/エメリン・エック: Emelie Ek)のように、外部テキスタイル
デザイナーの起用によるファブリックも人気があります。


KLIPPAN

 



KINNAMARK 
シナマーク/ スウェーデン
http://www.kinnamark.se/index.html

 

シナマーク社は、1887年、ルドヴィク・スベンソンにより、スウェーデン西部の町、KINA(シナ)で、『シナマーク
機械織り』として誕生しました。以来、100年以上に渡り、良質のファブリックを生み出してきました。2007年に、
DFT TEXTIL ABの傘下に入りましたが、『kinnamark』のブランドは現在も健在です。
下画像左:『TAHITI』(デザイナー:Betty Svensson )、下画像左:『FIFTIES』(デザナー:Ann Hjers )。


KINNAMARK

 



almedahls 
アルメダールス/ スウェーデン
http://www.almedahls.se/

 

アルメダールス社は、上記、ボラス、クリッパン、シナマークなどのスウェーデンの老舗テキスタイル銘柄と比較
しても、さらに古い伝統を誇り、その歴史は1846年にまでさかのぼります。といいつつ、その意匠はとても大胆で
色鮮やか。以前は『アルメダール』と表記されていたようですが、今は、北欧発信の日本語ブログなどでも、ほぼ
『アルメダールス』表記が定着しています。下画像は代表的なハーブ柄(デザナー:ASTRID SAMPE )。


almedahls

 



marimekko 
マリメッコ/フィンランド
http://www.marimekko.jp/

 

マリメッコは、1950年代はじめに、アルミ・ラティア(Armi Ratia)と、その夫・ヴィリオ(Viljo Ratia)によって設立
されました。『マリメッコ』は、女の子の名前であるマリ(mari)と、フィンランド語でドレスを意味するメッコ(mekko)
という2つの単語から出来ています。そしてmari は、設立以降30年間カリスマ的リーダーであったアルミ(Armi)の
アナグラムでもあります。


marimekko

 



artek 
アルテック/フィンランド
http://www.artek.fi/

 

アルテック社は、1935年にフィンランドを代表する建築家、アルヴァ・アールト(Alvar Aalto)が、彼の妻、アイノ・
アールト(Aino Aalto)等と設立した家具ブランドで、すでに80年近い歴史があります。アイノ・アールトといえば、
ガラス食器メーカーのイッタラ(iitala)のデザインで有名ですが、アイノが1949年に亡くなった後、アルヴァの新しい
パートナーとなった建築家エリッサも優れた造形センスの持ち主で、1955年にエリッサがデザインしたファブリック、
『H55』(下画像右)は、アルヴァの『SIENA』(下画像左)とともに超ロングセラーとなっています。
この2つのファブリックは、和室住宅でフキン的な布地として使っても、びっくりするほど日本的情緒と似合います。


artek

 



Finlayson 
フィンレイソン/フィンランド
http://www.finlayson.fi/

 

フィンレイソンは、1820年に、ジェームス・フィンレイソン(James Finlayson)によってフィンランド南部のタンペレ
で設立され、以後2世紀近く、良質のテキスタイル・デザインを生み出してきました。タンペレは、フィンランド湾岸の
ヘルシンキより北160kmほどの内陸の都市で、トーベ・ヤンソンの作品であるムーミンに関連した博物館などもあり、
ムーミン・モチーフはフィンレイソンのファブリックにも登場しています。


Finlayson

 

 


 老舗・新興ブランドとも層が厚い英国系


ANDREW MARTIN
アンドリュー・マーティン/イギリス
http://www.andrewmartin.co.uk/

 

ANDREW MARTIN は個人名のようですが、1978年に、デザイナーのマーチン・ウォーラー(MartinWaller)が、
アンドリュー・ジレスピー(Andrew Gillespie)と立ち上げたテキスタイル・メーカーです。非常に個性的で斬新かつ
グローバルな視点から、時代と文化を超えたモチーフを、洗練されたファブリックへ昇華させる腕前は特筆すべきもの
があります。下画像はファブリックの『SPECTATOR』と『CARLOTTA』。


ANDREW MARTIN

 



OSBORNE & LITTLE
オズボーン・アンド・リトル/イギリス
http://www.osborneandlittle.com/

 

独創的なファブリックと壁紙で知られるオズボーン・アンド・リトル社はピーター・オズボーン とアンソニー・リトルに
より1968年に創設されました。最初のコレクションであるハンドプリント壁紙で英国デザインアワードを受賞、作品
は、ロンドンのV&A博物館、NYのクーパーヒューイット美術館、シカゴ美術館などに所蔵されています。


OSBORN & LITTLE

 



MORRIS & Co.
モリス・アンド・カンパニー/イギリス
http://www.william-morris.co.uk/

 

19世紀イギリスの詩人・デザイナー・工芸家であり、アーツアンドクラフツ運動の創始者であるウィリアム・
モリスが生み出したテキスタイルパターンは、一世紀以上を経た今日でも少しも新鮮さを失わず、世界中で
根強いファンに愛され続けています。中でも傑作とされる『いちご泥棒』(下画像左)については、当ブログ
記事『いちご泥棒 meets 雑貨』でも話題にしています。


MORRIS & Co.

 



Sanderson
サンダーソン/イギリス
http://www.sanderson-uk.com/

 

1860年にアーサー·サンダーソンによって設立されたSanderson は、1923年に英王室御用達を付与され、
エリザベス女王と英国王室の宮殿に生地、塗料や壁装材を提供するなど、イギリスのインテリアデザインの
老舗としての地位を確立しています。それを支えるのが、ルネサンス期にまで遡るといわれる図案などの同社
のアーカイヴ。そのコレクションは、再解釈され、新しいファブリックを生みだすリソースとなっています。
なお、同社は、他のブランド、Morris & Co.(モリス・アンド・カンパニー)、HARLEQUIN(ハーレクイン)などと
ともに、英Walker Greenbank (ウォーカー・グリーンバンク)グループの一員となっています。


Sanderson

 



HARLEQUIN
ハーレクイン/イギリス
http://www.harlequin.uk.com/

 

HARLEQUINは、1960年設立のファブリック・サプライヤーで、偶然にもカナダの出版社ハーレクイン・エンター
テイメント社が大衆恋愛小説で有名になるのと期を同じくして成長してきました。両社の名称であるハーレクインは、
フランス語のアルルカン(Arlequin )、イタリア語のアルレッキーノ(Arlecchino)の英語読みで、イタリアの中世
の仮面劇、コメディ・デラルテに登場する道化師(ピエロ)の名前からとられています。元々は、少し悲哀感のある
美しい響きのこのハーレクインという名前に、両社は、また別の彩りとニュアンスを与えているともいえます。


HARLEQUIN

 



CABBAGES & ROSES
キャベジズ・アンド・ローゼズ/イギリス
http://www.cabbagesandroses.com/

 

キャベジズ・アンド・ローゼズは、VOGUE誌のエディターとしても活躍していたデザイナーのクリスティーナ・
ストラット(Christina Strutt)によって2000年に設立されました。
Beauty (美しいこと)、Simplicity (シンプルであること)、Longevity (長く愛されること)、Integrity( 誠実で
あること)、Sustainability (持続性があること)の5つの信条のもとにファブリックアートが生み出されています。


Cabbages & Roses

 

 


 ユーロ・エレガンスとアメリカ・モダン


SAHCO
サコ/ドイツ
http://www.sahco-hesslein.de/de#/home

 

1841年に設立されたサコ・ヘスレイン社はドイツ・ニュールンベルグを本拠とし、クラシックからアヴァンギャルド
まで全てのインテリアスタイルに対応したコレクションで有名です。コレクションは、インハウスデザイナーによる
『サコ・コレクション』、テキスタイルデザイナーとして国際的な名声を得ている『ウルフ・モーリッツ・コレクション』、
ニューヨーク在住の女性デザイナー『ロリー・ワイツナー・コレクション』などから構成されています。


Sahco-hesslein

 



SOULEIADO
ソレイアード/フランス
http://www.souleiado.com/

 

南フランスのプロヴァンス地方に伝わるプロヴァンス・プリントを継承する代表的な生地ブランドですが、現在の
フランスのサイト(上のリンク)を見ると、服飾・インテリア全般を扱う総合アパレル企業のようになっています。
ソレイアードの本来のプロヴァンス・プリントの美しさを鑑賞するのであれば、むしろ日本のソレイアードのサイト
の方が見やすいと思います。このサイトの『STORY』という解説ページに、SOULEIADO の由来が語られていて
『雨上がりの雲の間から射し込む陽の光を意味するプロヴァンス地方の古い言葉』と、記されています。


SOULEIADO

 



Mas d’Ousvan
マドヴァン/フランス
http://www.masdouvan.com/

 

フランス人デザイナー、ブルーノ・ラミー(Bruno Lamy)が、2001年に創設したファブリックブランド。
17~18世紀のトワルドジュイ(人物・風景、神話、天使、植物モチーフが点在する主に2色使いの図案)
を研究したデザインで、薄手でカルトナージュ柄としても人気のあるファブリックです。
ブルーノは、COULEUR NATURE というコレクション(下画像右)も発表していて、雰囲気としては南仏
の工房のような感じがしますが、サイトの住所では、ヌイイ=プレザンス (Neuilly-Plaisance)になって
いますので、パリの東側のイル=ド=フランス地域圏に本社はあるようです。


mas d’Ousvan

 



CHIVASSO
キファソ/オランダ
http://www.chivasso.com/

 

1991年のコレクションの発表以来、オランダのCHIVASSO (キファソ)は、持続的に優れたファブリックを提供
してきました。2000年からドイツJAB社の傘下にあり、キファソ・ブランドをメインに、よりハイエンド層向けの
『CARLUCCI di chivasso(カルッチ ディ キファソ)』、より価格競争力のある洗濯可能な耐久商品を目指す
『easy concept(イージー・コンセプト)』の2つのブランドを展開しています。
下画像は、キファソの『モンスーン(MONSOON)シリーズ』。


CHIVASSO

 



Amy Butler
エイミー・バトラー/USA
http://www.amybutlerdesign.com/mainmenu.php

 

エイミー・バトラーは、デザイナーの個人名であり、彼女がデザインするファブリックのブランド名でもあります。
エイミーは、2000年に彼女のデザインビジネス『エイミー・バトラー・デザイン』を、オハイオ州グランヴィルの
自宅で開設しました。エイミーの作品は伝統的なアジアの模様からインスピレーションを得たモチーフに特徴
があり、ポップでありながら、どこかにオリエンタルな落ち着きが感じられる作風になっています。
下画像は『ソウル・ブロッサムズ(Soul Blossoms)』シリーズから。


Amy Butler Design

 



maharam
マハラム/USA
http://www.maharam.com/

 

maharam 社は、1902年にロシア移民である、ルイス・マハラム(Louis Maharam)によってニューヨークで
創業されました。ブロードウェイの舞台衣装やセットデザインのテキスタイル事業から始まり、以来、100年を
超えて家具や内装用の良質のファブリックをデザイナーやメーカーに供給しています。ただ、個人が趣味として
使うにはマラハムの生地は高価で、メートル数万円のモノがざらにあります。


maharam

 

 


 タイとハワイからの贈り物


JIM THOMPSON
ジム・トンプソン/タイ
http://www.jimthompsonfabrics.com

 

アメリカの建築家でありアートコレクターであったジェームス·HW·トンプソンは、第二次世界大戦中に米軍の将校
としてタイのバンコクに在任中にタイシルクの美しさに魅せられ、その後タイシルク会社を設立、タイシルクの復興
に力を尽くします。彼によってタイシルクは現在、タイの有力な産業に育ち、中でもジム・トンプソンブランドは、タイ・
シルクの最高級ブランドとして世界的に知られるようになりました。
事業の成功後の1967年、ジム・トンプソンはマレーシアで突然、失踪し、その行方は現在も謎のままです。彼の
ミステリアスな生涯も、ジム・トンプソンブランドを飾る魅力的なエピソードのひとつとなっています。


 Jim Thompson fabrics

 



TAHITI IMPORTS
タヒチ・インポーツ/ハワイUSA
https://www.tahitiimports.com/home.php

 

1963年に、ハワイ・オアフ島ワイキキにタヒチ・インポーツがオープンして半世紀になります。その後、マウイ島、
カウアイ島、ハワイ島へと進出、現在は世界に知られるブランドに発展しました。大ぶりのアイビーやスパイダー・
リリーなどが単純で美しいラインで描かれ、多色使いではないけれど、印象的で上品な配色が見事です。


 TAHITI IMPORTS

 

以上、最後まで読んでくださってありがとうございました。

 

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