もうDIYでいいよ。

海外DIY系情報11月2014

ニューヨークのデザイナーが中心になり設立したインテリア・デザイン系サイト、『 インハビタ(inhabitat)』 から、

最新のインテリア・デザイン・DIY系情報をご紹介します。

以下の内容は、intabita 記事の翻訳の他、元ソースなどをヨナデンが巡回して集めました。

 


ミラノの『垂直の森』プロジェクト
のべ900本の植樹が完了した模様
 Bosco Verticale: World’s First Vertical Forest is Finally Complete in Milan
(intabitat/ARCHITECTURE/by  Lucy Wang/2014-10-20記事←link)

 

 

 

 

 

 

 

Stefani
Boeri
Studio
vertical
forest

 

インハビタでは 2011年頃の記事から、この『ボスコ・ヴァーティカーレ(Bosco Verticale:イタリア語で

『垂直の森』の意味)』という、ミラノ都心のツインタワーマンション・プロジェクトを追いかけていました。

もう少し早くお目見えする予定でしたが、今年も末になってやっと完成したという記事になっています。

下画像は、 この建築をデザインした建築家、ステファノ・ボエリ氏(Stefani Boeri)のスタジオによるCG

ですが、上画像の樹木が成長すると、このような『森』になるとのことです。

 

 

 

 

 

 

 

Stefani
Boeri
Studio
vertical
forest

 

ステファノ・ボエリ・スタジオのサイトの説明によると、3m.6m.9mの高さの違う樹木900本と、その他

数千本の植栽により、この2棟合わせて、平面に換算して7000㎡の森林に相当する緑が生み出され、

都市の生物多様性の再生に貢献できるとか。緑が順調に育てばいいですね。

なお、ヨナデンが省みるに、2011年のこのプロジェクトの発表記事の頃は、このような建築が実現する

ことは画期的だったのですが、今では、例えばシンガポールのパークロイヤル・オンピッカリング・ホテル

の下画像のようなビルと一体化した空中庭園的な植栽を目にする機会が増えていて、このような高層

ビルと森林のイメージの合体というのは、今後の建築のひとつのトレンドになって行くかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

KINSTRCT
parkroyal
on pickering
singapore

 

 

 


テラリウムとフィギュアが作り出す小宇宙
 How to Make Your Own Terrarium
(intabitat/ART/by  Jill Fehrenbacher/2014-08-29記事←link)

 

8月の記事ですが、今回は『植栽』をフィーチャーしたいので、この記事を端緒に、日本の『マン盆栽』

の話題まで話を広げたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

intabitat
How to Make
Your Own
Terrarium
photo by
Josh Leo

 

 

テラリウム(terrarium) というのは、身近なガラス容器などを利用して、その中に植物や小さな動物・昆虫

を入れて観賞用の景観を作り出す技術です。

この記事では、記者の Jill Fehrenbacher さんの友人で、ピンタレストでもある Melissa Cotton さんの指南

によるDIYでテラリウムを作る方法が紹介されています。

それによると、容器の底に小石、木炭、鉢植用土の順で水はけの良い土台層を形成し、その上にミズゴケ、

シダ、多肉植物などを配置します。

さらに、プラスチック製のミニチュアの動物や人型を、鉄道模型用品などから見つけて、景観のアクセントに

すると良いとアドバイスされています。

 

 

 

 

 

 

 

intabitat
How to Make
Your Own
Terrarium
photo by
Josh Leo

 

 

ここからは、上記事を離れて少し考察を加えていきます。

ヨナデンの経験から言っても、テラリウムの景観にワンポイント、ミニチュアの人型を加えると、本当に、劇的に

今までなんでもなかったミズゴケなどの上に、急に情感が漂い始めます。

下画像は、ヨナデンが持っている人型フィギュアの一部で、後で紹介する『マン盆栽』を、昔作った時に購入

したモノです。ドイツの人型フィギュアメーカー、プライザー社(Preiser)のHOサイズ(縮尺:1/87)です。

鉄道模型や建築模型に使う人型フィギュアは、その縮尺サイズが、1/43、1/100、1/160、など、様々あって

テラリウムの大きさに合わせて選ぶことができます。

人型フィギュアがなぜ効果的かというと、置かれたフィギュアに鑑賞者が『身体感覚』を仮託して、テラリウム

の植栽を『その中を自由に歩き回れる』領域に変え、より感情移入しやすい対象にするからだと思います。

 

そして、そういう手法は現代アートの分野でも効果的に使われています。

 

例えば、オーストラリアのアーティスト、ケンダル・マレー( Kendal Murray)が作り出すオブジェを見てみます。

彼女は女性らしいアイテムであるコンパクト(化粧品)や財布などをモチーフにして、そこに人型フィギュアや

植栽(模型素材)を加えることで、日常品を驚くべき情景へと変貌させています。

 

 

 

 

 

Kendal

Murray
Fun Run, 
Dry Run, 
mixed media
6 x 10 x 10 cm
2012

 

 

 

 

 

 

 

 

Kendal

Murray
Soul Mate, 
Best Mate
mixed media
9 x 8 x 10 cm
2014

 

また、イリノイ州出身で、現在はニューヨークを拠点に活躍しているアーティスト、トーマス・ドイル

 (Thomas Doyle)の作品(下画像)では、人型フィギュアや植栽(模型素材)の他に、ミニチュアの家

が重要なモチーフとなっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

THOMAS
DOYLE
Acceptable losses
mixed media
16 x 13.5 inches
2008

 

 

 

 

 

THOMAS
DOYLE
Acceptable losses(部分)
mixed media
16 x 13.5 inches
2008

 

彼の作品に登場する『家』は、『安住の場所』としての家ではなく、災厄と崩壊の予兆があります。

そして、どこか不安げな人型フィギュアと組み合わさって、独特の静謐さと美しさと恐怖が同居する

空間を作り出しています。

彼の作品の制作過程を解説した動画を載せておきます。Thomas はフィギュアを自由に加工して

いますが、ここで素材として使われているのは、建築模型用の人型フィギュアだと思います。

 

さて、テラリウムと人型フィギュアの造形について、日本で語るとすると、忘れてはならない人がいます。

マンボ・ミュージシャンのパラダイス山元 氏です。

彼が15年程前から提唱している『マン盆栽』は、現在も少なからぬ賛同者を集め、時々話題になって

います。Wikipediaの『マン盆栽』によれば、

 

盆栽愛好家から「盆栽の上に人形など置きおってからに」とか

「盆栽が泣いておる」などと幾度も罵倒されている。

 

というような試練もあるようですが(笑)、ヨナデンからすると、様式が確立してしまった盆栽の伝統に対し

上に述べたようなアートの分野での革新の可能性を含む『マン盆栽』は、DIY的にも今後の展開を期待

したい造形活動のひとつです(下画像は初版解説書を紹介するパラダイス山元 氏)。

 

 

 

 

 

 

 

USTREAM
マン盆栽
入門その1

 

 

以上、最後まで読んでくださって、ありがとうございました。

 

  『海外DIY系情報8月2014』  (海外のDIY系情報、定期報告2014年8月分)

  『海外DIY系情報6月2014』  (海外のDIY系情報、定期報告2014年6月分)

  『海外DIY系情報4月2014』  (海外のDIY系情報、定期報告2014年4月分)

  『海外DIY系情報3月2014』  (海外のDIY系情報、定期報告2014年3月分)

  『海外DIY系情報1月2014』  (海外のDIY系情報、定期報告2014年1月分)

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