もうDIYでいいよ。

海外DIYコンテスト賞品

昨年(2013年)5月、アメリカのDIY投稿サイト 『instructables(インストラクタブルズ)』 を紹介しました。

実は、この記事の半年後(2013年11月)に、instructables の日本語版 (下)が登場しました。

そうなんです。当ブログは結構、最先端のDIYの話題をご提供しているのです(自慢)。

ただ、この instructables 日本語版 のその後の様子を見守っているのですが、投稿される読者のDIY

記事の絶対数が少なすぎて、DIYのハウツー系サイトとしては、まだまだ魅力的とはいえません。

DIYのハウツー系サイトは、良質の投稿を、いかに多く集められるかが勝負どころで、人気サイトになれば、

それがまた良質の投稿を呼び寄せる好循環が生まれます。

 

そういう意味で、英語版の本家の instructables で読者投稿のモチベーションを高めているのが、さかんに

開催されるDIY関連企業が協賛するコンテストです。 この冬も、下のようなコンテストが立て続けに行われ

ていて、多くの応募投稿が競い合っています(画像は link してあります)。

上のコンテストの賞品は、スポンサー企業の製品です。最初の 『SNOW CONTEST/スノー・コンテスト』では、

新進企業の『インターラーケン』 の、 縫製パターンが印刷されたウールのDIYブランケットなど、

次の『Spring’s Coming Contest/春が来るコンテスト』では、アメリカの工具メーカー『TEKTON/テクトン』の

レンチ・ソケットのフルセット(135-pc. Wrench and Socket Set) など、

最後の『Paper Craft contest/ペーパークラフト・コンテスト』では、家庭用クラフト工作機器メーカー『Cricut

/クリカット』の Cricut Explore machine (小型カッティングマシン)などが、賞品になっていました。

日本にもユニークな工具メーカーや文具メーカーはあるのですから、DIYハウツーサイトが成長して、こういう

企業タイアップのコンテストがあちこちで開催されるようになれば、DIYも本格的な文化になると思うのですが‥。

 

 

さて、今回の記事は、ここからが本番です。上記英語版 instructables で、つい最近(2014年2月10日から)

始まったコンテストがあります。『WOODWORKING CONTEST/木工コンテスト』で、スポンサーの冠企業名が

ないので instructables 主催だと思います。

下が、 このコンテストのグランプリの賞品 、8種類9品目。総額約408ドル(約4万8百円)相当(1ドル100円として

amazon(us)価格で換算/2014年2月現在/付属のオリジナルTシャツ等は含まず)のラインナップです。

え?賞品4万円相当は少ない? いえ、小ぶりでも実用的なコンテストが沢山あることは、良いことだと思いますよ。


①Porter Cable Planer($89.99)
②Dewalt Plate Joiner($169.00)
③Irwin Chisel Set($63.36)
④Wood Glue($11.13)
⑤Japanese Detail Saw($23.99)
⑥Wood Burning Kit($23.29)
⑦Bench Dogs($9.99)
⑧Biscuits(size10・20/$8.75+$8.99)

and an Instructables prize pack
including a robot t-shirt.

 

 

 

 

コンテストのテーマからして木工愛好家が欲しがる工具が賞品のハズなのですが、日本ではそれほどポピュラー

でないモノもあります。

しかし、見慣れない工具ではありますが、近い将来、日本でもDIY現場で普及しそうな感じがするものばかりです。

そこで、順に詳しく紹介してみたいと思います。

それは、⑦のベンチ・クッキー、⑧のビスケット、②のビスケット・ジョイナー、⑥のウッド・バーニング・キット です。

(その他の賞品:①ポーター社プラナー、③彫刻刀セット、④フランクリン・タイボンドⅢ、⑤日本製小型ノコギリ)

 

 


径7.5cmの木材足場・滑り止めのベンチ・クッキー。

Bench CookieTM(Bench Dog tools)

 


このベンチ・クッキーといい、次のビスケット
といい、アメリカの人は、道具に美味しそうな
名前をつけたがるようです (^Д^;)

上下が滑り止め加工を施したゴム面になって
いて、やすりがけ作業などの際、木材を固定
したり、塗装の際、木材を浮かせたい場面で
重宝します。

径7.5cm(3 inch)、高さ2.5cm(1 inch)。
Bench Dog Tools 社製 4個セット

 

こういう形状のグリップ工具は、一般に『ベンチ・クッキー』と呼ばれていますが、正確には、Bench Cookie

は、ROCKLER(ロックラー)社の登録商標のようです。だた、デザイン的に、美味しそうなクッキーの感じが

あるのは、Bench Dog Tools 社(下画像)の製品の方でしょう。

 

 


ビスケットとは木材の接合に使うリーフ状の圧縮木材。

ボンドの水分で膨らんで固着し、接合部を繫ぎ留める。

 

ホントに、ビスケットみたいでしょ。でも、これは木材の接合用の継手部材なんです。

ビスケットは、同じく木材の接合に使う『ダボ』と似た働きをします。だだ、ダボが点で繫ぐとすると、ビスケット

は線で繫ぐので接着部の強度はダボよりも優秀です。材質には一般に圧縮したブナ材等の広葉樹が使われ

(上のデウォルト社の ビスケット75ピースセットも圧縮ブナ製)、継手の溝穴に塗りこんだボンドの水分を良く

吸い込んで膨張し、しっかり溝穴にハマりこんで接合部を繫ぎ留めます。

どうして、ビスケットがリーフ状をしているか? というと、次に述べるビスケット・ジョイナーと関係があります。

ビスケット・ジョイナーは、ビスケットがハマる溝穴を、木材の接合面に作る掘削工具です。内部に回転する

丸ノコが仕込んであり、丸ノコがせり出すことで、溝が掘られます。つまり溝は円弧状にえぐれているのです。

接合部の両側が円弧状の溝になるので、その空洞を満たす継手部材の形は、リーフ状になるワケです。

上画像は、ドイツの木工家 Holz Werken さんのYouTube 動画、『Möbelbau: Starker Halt fürgute Möbel』

から(4:21頃)ですが、ビスケットを溝穴にハメこんでいる様子が判ると思います。

 

上の画像が、賞品の工具、デウォルト社のプレート・ジョイナー・DW682K (Dewalt Plate Joiner)です。

ビスケット・ジョイナーという一般名が日本で普及し始めていますが、広く知られたデウォルト社の製品名は

『プレート・ジョイナー』ですし、日本のマキタ社の製品名は『ジョイント・カッタ』です。このように名称が統一

されていなくてバラバラなところも、いかにも普及期にあるアイテムのような気がします。

 

 


ウッド・バーニングは、フォークロア(カントリー)調の

DIY家具・雑貨との相性抜群。

 

ウッドバーニング(焦がし絵)は、目新しいものではなく、 『日本ウッドバーニング協会』 があるほどです。

ただ、ウッドバーニングの印象は、日本は、どちらかというと、アート系が強く、DIYとはそれほど馴染み

がなかったように思います。

賞品のウェラー社のWood Burning Kit は下のような初心者用セットで、温度調節コントローラーの無い

タイプですが、木の表面に押しつけることで模様が残る焼き印型の先端チップが各種付属しています。

こういうシンプルなタイプは、例えばバードカービングの羽根の細密表現のような描き方は苦手ですが、

木製のDIY雑貨などにワンポイントの模様を入れる場合などに威力を発揮します。

下の画像は、The Etsy Blogの記事『How-Tuesday: Wood-Burned Cutting Board』(Story by

Clare McGibbon、Photo by Romain Laurent) からのものですが、楕円形のまな板にシンプルな

焼き印線を入れるだけで、魅力的なキッチンアイテムに変貌しています。しかも、塗料を使わなくて良い

ウッドバーニングの衛生面でのメリットも活かされていて、参考にしたいDIY事例です。

 

以上、 instructables の木工コンテスト の賞品から、今後日本でもDIYの現場で普及するかもしれない

工具を紹介してみました。

それから、これらのコンテスト、日本から応募できるか? ということなんですが、残念ながら、現在のところ、

英国、中国、ベルギー、オランダ、オーストラリア、コロンビア、ドイツ、スイス、ノルウェー、インド、デンマーク

ニュージーランド、米国、カナダからのエントリ限定とのことです。日本語版もできたことだし、いずれ日本も

エントリできるようになればいいと思うのですが‥。

最後まで読んでくださってありがとうございました。

 

 

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