人物イラストと参考画像
webイラストの技法的な記事を、いくつかupしてきましたが、
今回は人物イラストを描く時に、ネットから集める『参考画像』の話です。
参考画像は、やみくもに集めると、使わない画像を増やすだけで、
メモリーも圧迫し、かえってイラスト作業の邪魔になってしまいます。
何の画像が欲しいのか常に条件を意識し、必要分だけを保存するようにしています。
今回の事例は、下の画像の左端の人物、Goosehouse という音楽グループのリーダーの
d-iZe(ダイズ)さんのイラストです。
上の画像は YouTubeの動画(←link) をキャプチャーしたものです。
各メンバーのファッションの特集記事を書くため
この曲を歌っているd-iZeさんの全身イラストが必要になりました。
ところが、動画に映っているのは上半身のみで、歌っている姿勢の全身像はありません。
イラストで想像で描くしかないわけです。
出来上がったイラストは、こんな感じになりました。
このイラストは、複数の画像を合成して、線描で描き直して仕上げてあります。
一般的に人物イラストは、ネタ元の画像を全部引き写して完成ということはあまり無く、
複数の画像を参照しながら一枚のイラストに仕上げる場合がほとんどです。
つまり、描きたい対象物にピッタリな参考画像を、ネットから上手く集められるかが
勝敗を決するポイントになります。今回のイラストは成功したかどうか判りませんが、
以下、集めた参考画像を全部並べて、自分なりに要点をまとめることにします。
webイラストの初心者の方の参考になればいいなと思っています。
描く対象の多角度の画像を、できるだけ集めて
今回のイラストの構図と、その課題点を
しぼり込む
まず、上半身の画像で良さそうなポーズをキャプチャー。
とりあえず、手のポーズは⑨と③、顔の表情は⑦③あたりを選んでおきます。
次に全身の服装のヒントになる画像を、別のUST LIVEから収集。LIVE動画は画質が悪く
ほんとに参考程度ですが、①フェルト地の中折れ帽、②濃いグリーンの半パン、
③黒いハーフブーツを、d-iZeさんが着用していることが判ります。
つまり、イラストで想像で描く人物の半身は、半パンでブーツを履いた男性がイスに
腰掛けている姿なのです。
今回のイラストは服装がよく見えるようにしたいので、元動画では普通のイスに腰掛けて
いるようですが、イラストではハイチェアに浅く腰かける構図にして、人物の前方投影面積
を広くとることに決めました。
複数の条件にピッタリ合った画像が見つかる確率は極小
一つ一つの条件をクリアしている画像を見つけて
個別に参照する
ここからが、画像の検索能力が試されるところです。
『ハイチェアに浅く腰かけている、半パンでブーツを履いた男性の正面画像』 が、
検索条件ですが、それで画像がヒットするほどネットは甘くありません。
まず、ハイチェアに腰かけている男性の画像から、足の位置を決めていきます。
ここで、上半身の体のひねり具合との兼ね合いから、上の①の左右反転像を、
下半身の基本姿勢にすることを決めます。
③の投げ出した右足のラフな感じも良いので、心に留めておきます。
素足の陰影のディテールと、半パンのシワの質感は別画像を参照します。
以下の①~③は、線描スケッチの段階ですべて参照しました。
さらにブーツの画像を参照します。ほぼ②の画像を使いました。
最後に、ハイチェアの画像を参照します。③の画像を使いながら、人物が左足でステップを
踏めるように、ステップの位置と形状を変更しました。
こうしてみると、ひとつのイラストにも多くの参考画像を使っていることに気づかされます。
さて、イラストに興味をお持ちの皆様、LINEクリエイターズ・スタンプはご存知ですか(ヨナデンの体験記へ)。
現在、ヨナデン・ロクタのスタンプとして、下の『僕が信じてる40の事』という、ちょっと変わったタイトルの
のスタンプが、40個1セット100円で販売中です。
よろしければ、ラインのスタンプストアをのぞいてみてくださいませ。
http://line.me/S/sticker/1000271
以上、最後まで読んでくださってありがとうございました。
『3頭身アイコンのコツ』 (注目されるカワイイ系の2~3頭身アイコンの技法)
『多人数イラストの色調整』 (一度に多くのイラストを描く場合の色の調和)
『人物イラストと省略』 (線描スケッチ風人物イラストでの省略技法)
『21人の頭のある柱頭』 (ヨナデン使用のペイント・ソフトとタブレットを紹介)
『俯瞰(ふかん)図のコツ』 (Webコンテンツのイラストで重宝する俯瞰表現のコツ)
『継ぎ目無し背景のコツ』 (ブログ背景をエンドレス・シームレスの画像にするコツ)
『エヴァ・デザインを楽しむ 1 』 (極太明朝体の活かし方とデザイン・パターン)
『エヴァ・デザインを楽しむ 2 』 (六角形パターンとグリッド・デザインの上手さ)