薬師寺東塔の水煙
毎月1回、『Painter』という描画ソフトで描いたスケッチを投稿しています。
2012年1月のスケッチは、飛天の透かし彫りで有名な薬師寺東塔の水煙(すいえん)を描いてみました。
東塔は、現在10年にわたる解体修理に入っており、 ↓(画像の下に続く)
↓(画像上からの続き)
薬師寺境内には、塔を覆うNASAのロケット格納庫のような巨大な『素屋根』が完成しつつあります。
2012年2月には東塔は完全に覆われて、以後5年間、この水煙も、空を背景にした姿を見ることが
できなくなるわけです。
まあ、解体修理中でなくても、飛天を鑑賞することは、地上から肉眼で見上げても小さすぎて無理では
あるのですが‥。
今回スケッチを描くにあたっては、薬師寺の東僧坊に展示されている水煙のレプリカの部分画像を数枚
組み合わせてディテールを仕上げました。
レプリカは赤がね色ですが、本物は屋外で風雨にさらされているので、緑青がふいたイメージにしました。
実際の水煙は、このスケッチ画像のパターンが裏表両面に彫られた銅製のパネルが4枚、上から見ると
十字形に組み合わされて、相輪の一部として地上34mの塔頂上に設置されています。
3体の飛天(一説によると、天男・天女・天童の家族の天族)の位置関係が絶妙で、全体として見事な
調和を実現している奈良・白鳳美術の傑作です。
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