もうDIYでいいよ。

SMALL COOL 2014

インテリア・DIY・ライフスタイルの総合サイト、 『Apartment Therapy(アパートメント セラピー)』(←link) の

住宅コンテスト、『Smallest Coolest Home Contest』、略して、『SMALL COOL(スモールクール)2014』

(←link)の応募住宅のエントリがこの6月2日で締切られました。

 

『かなり狭いけど、かなりクールな、住宅コンテスト』といった趣旨のこのコンテストでは、1000平方フィート

(1000 sq.ft.=約90 ㎡)未満という(欧米感覚では)比較的狭い住宅を対象に、インテリア自慢の住宅を

募集し、ベスト・インテリアに対してグランプリを毎年授与しています。

(今年の優勝住宅が決定しました。『優勝は19世紀の住宅』参照。また、昨年の昨年のコンテストの様子に

ついては、前記事、『SMALL COOL 2013』『優勝住宅:30㎡の快適』 を参照)

 

中でも、ヨナデンが注目しているのが、一番狭い住宅部門である、ティニータイニー部門のエントリ住宅たち。

以下のように、住宅面積で分けられて、各部門があるのですが(元基準:平方フィートを平方メートルに換算)、

30㎡程度なのに狭さを感じさせないTEENY-TINYの各住宅の素晴らしい工夫が、とても参考になるのです。

 

◆ティニータイニー部門 (TEENY-TINY) ————36㎡(400 sq.ft.)未満

◆タイニー部門(TINY)————————————-54㎡(600 sq.ft.)~36㎡(400 sq.ft.)

◆リトル部門(LITTLE)————————————72㎡(800 sq.ft.)~54㎡(600 sq.ft.)

◆スモール部門 (SMALL) ——————————-90㎡(1000 sq.ft.)~72㎡(800 sq.ft.)

◆インターナショナル部門(INTERNATIONAL)——90㎡(1000 sq.ft.)未満 ( アメリカ以外 )

 

部門の面積基準などは昨年と変わりませんが、賞品が若干変更になったようです。

インターナショナル部門を除く各部門ごとのファイナリストには、1000ドル(10万円)相当のギフトカードが贈られ、

その中から選ばれるグランプリには、さらに追加で 1000ドル相当のギフトカードが贈られるようです(1ドル=100円

として換算。ちなみに、昨年はグランプリは3000ドル、ファイナリストには750ドルの現金が贈られていました)。

インターナショナル部門のファイナリストには、Apartment Therapy の創始者でありデザイナーの Maxwell Ryan

(マックス·ライアン)のサイン入り書籍が贈られます。

 

ということで今回は、small cool 2014 に現在エントリされている応募住宅の中から、参考にしたいインテリアを3例、

ご紹介します。

 


壁面にモノを飾るセンスが素晴らしい
Alisonさん、Lizさん、Nicoleさんのシェアハウス

 

Alison,Liz,Nicole さん エントリ住宅
リトル部門、655 sq.ft.(60.85㎡)、シカゴ・イリノイ州(←link)

エントリ記事を見ると、 AlisonさんとLizさんがアーティスト(おそらく友人)で、この部屋の雰囲気の良さは彼女達の

センスによるものではないかと思われます。下の平面図から分る住人構成は、AlisonさんとNicoleさんのカップルに、

友人のLizさんが同居している住宅のようです。

上画像は、キッチンの一角。勝手口のドア一面がそのまま黒板になっています。ここに各人がメッセージを書いていて、

Lizさんはこの黒板が大好きだと述べています。

この黒板兼ドアの表情と、その横の調理器のムダのない吊るし方の対比が、記事『ワイヤーネット・吊る美学』 で吊るし

方を研究したヨナデンの琴線に触れました。人気投票ではリトル部門で9位と、それほど評価は高くないエントリ住宅

ですが、個人的にお気に入りです。

この吊るす美的センスは、下画像のトイレの壁面の絵画コレクションにも、同じように発揮されています。

 

下画像は、リビングの様子。モノを豊富に置いてもクドくならない配置は参考にしたいところ。

61㎡という、3人で住むのにはそれほど広くない住宅ですが、凹凸のある空間を下平面図のように上手に使って

おられます。図の一番上のキッチンの丸テーブルの窓からは、階下の中庭が望めるそうです。

 

 


なんとなくヒアシンスハウスを思い出す
広い窓が心地よい20㎡のBrian さんのお宅

 

Brian さん エントリ住宅
ティニータイニー部門、210 sq.ft.(19.5㎡)、ワシントンDC(←link)

現在、ティニータイニー部門だけでなく、全エントリ住宅中、圧倒的人気投票を得ているのが、このBrianさんの小住宅。

前記事『風のヒアシンスハウス 2』 で、1939年に24歳で亡くなった詩人・建築家の立原道造の休暇住宅の間取りを紹介

しましたが、たたずまいが少し似ている所のあるコンパクトな居住装置です。

ただし、生活機能では、Brianさんのグリッドハウスは、昭和初期のヒアシンスハウスとは比較にならない高機能の装備を

満載しています。ヒアシンスハウスにはキッチンの機能がありませんでしたが、こちらは、オーブンレンジ・食洗乾燥機など

フル装備、屋根にはソーラーパネルまで付いています。さらに、ヒアシンスハウスでは雨水を貯める大きな甕(かめ)が構想

されていましたが、偶然にもグリッドハウスでも同じような位置に、雨水を貯め、飲料水として使えるようにするためのタンクと

ろ過システムが備わっています。

上画像の奥の壇になった部分が書斎で、下のスペースにベッドが格納されています。その右側奥がシャワールームを兼ねた

トイレ・洗面所になっています。書斎下のベッドを引き出すと下画像のようになります。


 

 


シースルーのレンガの壁がステキすぎる
ブラジル・サンパウロのFilipe さんのお宅

 

Filipe さん エントリ住宅
インターナショナル部門、613 sq.ft.(56.95㎡)、サンパウロ・ブラジル (←link)

上画像左に見えるスリット状のレンガを市松模様に構成した壁が、この部屋の素晴らしいアクセントになっています。

この壁が、もともと部屋の構造物としてあったのか、Fliipeさんがご自分のセンスで取り付けたのか、記事内容からは

分りませんが、寝室とリビングを風通しよく区切るスクリーンとして、見事なまでに機能しています。

Filipeさんは、小スペースの住居を成功させるためのコツの一つとして、『大きな家具を置くことを怖がってはいけない』

と述べています。『小スペースに小さな家具をチマチマ置くことこそが失敗の原因』だと続け、『大きな家具と小さな家具

のバランスを見つけることが大切』と結んでいます。

 

以上、最後まで読んでくださってありがとうございました。

 

  『優勝は19世紀の住宅』 (Small Cool 2014 のコンテスト優勝住宅の紹介)

  『Small Cool 2013』 (Small Cool 2013 のコンテスト・エントリ住宅の紹介)

  『優勝住宅30㎡の快適』 (Small Cool 2013 のコンテスト優勝住宅の紹介)

  『靴箱のエレガンス 2 』 (海外ブログ shoebox dwelling の小住宅記事紹介)

  『靴箱のエレガンス 3 』 (海外ブログ shoebox dwelling が紹介する寝具特集 )

  『方丈庵を解体してみる 』  (京都・河合神社の方丈庵レプリカ の構造を詳しく観察)

  『方丈:移動可能という夢 』  (方丈庵はこうして移動?庵のインテリアにも原典から迫る)

  『バロ:謎の駆動式住居 』 (女流画家レメディオス・バロが描く不思議な移動住居)